この記事では、APEXのALGSにおいて、選手が使用するデバイス(キーマウ・パッド)の変更ルールやオフライン会場への持ち込み制限、そして個人の試合配信に設けられている遅延ルールの背景について解説していきます。
試合間のデバイス変更ルールとオフライン会場の持ち込み規定
ALGSの大会では、選手はマウスとキーボード(キーマウ)、またはPlayStationやXboxのコントローラー(パッド)のいずれかを入力デバイスとして使用できます。大会の途中でこのデバイスを変更すること自体は、ルール上認められています。
ただし、いつでも自由に変更できるわけではありません。「1つのマッチ(試合)が始まってから終わるまでは、同じデバイスを使い続けなければならない」という厳格な規定が存在します。
もし次のマッチからデバイスを変更したい場合は、試合が始まる前に必ず大会運営(トーナメントオフィシャル)へ申告し、どちらのデバイスを使うかを伝える必要があります。無断で持ち替えることは許されていません。
ALGSでは、近距離の撃ち合いはPAD、長距離の撃ち合いやデスボックスを漁る時はキーマウ、のようなハイブリッドは出来ないということです。
また、オフライン大会の会場では、選手は普段から使い慣れた自分のマウス、キーボード、コントローラー、そして有線イヤホンを持ち込んで使用することが義務付けられています。これらは全て、試合で使用する前に運営のチェックを受けて承認を得る必要があります。
さらに、選手が試合を行う席には、スマートフォンやタブレットといった「外部と通信できる個人的な機器」を持ち込むことは一切禁止されています。試合中に個人のスマホを見ているシーンがないのは、運営が用意した保管場所に預けるシステムになっているためです。
これは決して選手を縛り付けるためではなく、外部からの不正な情報伝達を物理的に遮断し、純粋な実力勝負の環境を守るための措置なのです。
個人配信の10分遅延と公式DiscordでのVC義務化
選手が大会の様子を自分のチャンネルで個人配信する場合、最低でも「10分間の遅延(ディレイ)」を設定することが義務付けられています。リアルタイムの熱狂を共有したい視聴者にとっては少しもどかしく感じるかもしれませんが、これには明確なシステム上の理由があります。
APEXのようなバトルロイヤルゲームにおいて、「敵がどこにいるか」「どの物資を持っているか」という情報は勝敗を直結する極めて重要なデータです。もし遅延なしで配信が行われていた場合、他のチームの関係者や悪意のある第三者がその配信を見ることで、リアルタイムの戦況を筒抜けにしてしまう「ゴースティング」という不正行為が物理的に可能になってしまいます。
10分という時間は、Apexの試合展開において「10分前の情報は既に古くて役に立たない」状態になる十分な長さです。
システムの都合上、不正をシステム的に防ぎ、競技の公平性を担保するためには、この物理的な遅延時間がどうしても不可欠なのです。
また、プロリーグ以上の大会に参加する選手たちは、試合中のボイスチャット(VC)にチーム独自のツールを使うのではなく、「ALGSプロリーグの公式Discordサーバー」内の指定されたボイスチャンネルに入り続けることが義務付けられています。
これは選手たちを監視するためというよりは、大会の放送をより魅力的なものにするための構造的な慣習です。
公式Discordを経由することで、大会運営は各チームのリアルタイムの音声データを取得できるようになります。このシステムのおかげで、公式放送の熱いクリップ動画(ハイライト)で選手たちの緊迫したやり取りを視聴者に届けることができるようになっているのです。
選手たちもこの用途に同意した上で参加しています。
まとめ
- 入力デバイスの途中変更は事前申告があればマッチ間で可能だが、オフライン会場では不正防止のためスマホ等の通信機器の持ち込みがシステム上遮断されていること
- 個人配信の10分遅延はゴースティングを防ぐための物理的な防壁であり、公式Discordの使用は視聴者に熱い試合の音声コンテンツを届けるための仕組みであること
一見すると選手を縛るような厳しいルールに見えますが、これらは全て「公平で熱い戦い」を成立させ、私たち観客に最高のエンターテインメントを届けるための大切な土台です。ルールやシステムの背景を知ることで、真剣勝負に挑む選手たちをより一層安心して応援することができます。