VALORANTなどのFPSゲームで「敵の走り撃ちだけ当たる」「敵の飛び出しに反応できない」と絶望してしまう瞬間が多々あります。
というわけで今回は、敵の方が有利に感じてしまう理由について紹介してきます。
どうして敵の飛び出しのほうが圧倒的に早く感じるのか
あなたが飛び出しに反応できないのは、決して反射神経が鈍いからでも、ゲームセンスがないからでもありません。
オンラインゲームの根底にあるネットワーク通信の構造と、人間の脳の処理能力の差が合わさって引き起こされる物理的な限界によるものです。
オンラインゲームには「ピークアドバンテージ(飛び出し有利)」というシステム上の仕様が存在します。
プレイヤーのパソコンとゲームサーバーが通信を行う際、データが届くまでにはPingと呼ばれるわずかな遅延が発生します。敵が角から飛び出したというデータがサーバーに送られ、それがあなたの画面に描画されるまでには、どうしても数十ミリ秒のタイムラグが生じます。
つまり、敵の画面にはあなたの姿がすでに映っているのに、あなたの画面にはまだ敵が映っていないという「時間のズレ」が物理的に発生しているのです。
さらに、人間の脳の仕組みも大きく影響しています。
人間の平均的な反応速度は約200ミリ秒と言われていますが、待っている側は「いつ、どこから、どんな動きで飛び出してくるか」が分からない状態で集中を維持しなければなりません。脳が敵の姿を認識し、状況を判断してマウスをクリックするまでには、どうしても時間がかかります。
一方で飛び出す側は、「今からこの角度を見る」「敵がいたら撃つ」と自分のタイミングで行動を決定しているため、脳があらかじめ処理を終えており、反応の遅れがほぼゼロになります。
通信遅延と脳の処理準備の差という要因が重なっているため、待っている側が不利になるのはシステム上の必然です。
決してあなたの能力不足ではなく、構造上どうしても発生してしまう現象だということを理解しましょう。
敵の走り撃ちだけが全弾命中してくる理由
相手が走りながら撃っているように見えても、実はゲームのシステム上は「完全に停止している」と判定されている技術が使われています。
VALORANTなどのゲームでは、キャラクターが移動を止めてから銃の弾がまっすぐ飛ぶようになるまで、約130ミリ秒ほどのわずかな時間がかかります。これをストッピングと呼びます。
しかし、右に移動している最中に一瞬だけ左の移動キーを入力すると、キャラクターの移動速度がゼロになる瞬間が生まれます。
この一瞬の「デッドゾーン」と呼ばれるタイミングに合わせて射撃をすると、ゲームのシステムは「このプレイヤーは止まっている」と認識し、正確に弾が飛んでいきます。
画面越しには走りながら撃たれたように見えて、相手の走り撃ちだけ当たるように錯覚してしまいますが、実際には相手はこのデッドゾーンを的確に突いている状態です。
ネットワークの遅延も相まって、あなたの画面ではまだ相手が滑って動いているように見えている段階で、サーバー上ではすでに相手が正確な射撃を完了しているというズレが起きています。
飛び出しや走り撃ちに対抗するオフアングルの活用
待つ側が不利な状況を覆すためには、マップの定番ポジションから立ち位置を少しだけズラす「オフアングル」という戦術を取り入れてみてください。
飛び出してくる相手は、あらかじめ「敵はこの角にいるだろう」と予測して照準を合わせながら顔を出します。これをプリエイム(決め撃ち)と呼びます。
相手の脳はすでに撃つ準備ができているため、定番の位置で待っているとピークアドバンテージの餌食になってしまいます。
そこで、壁から少し離れた中途半端な位置や、普段なら誰も立たないような場所に配置を変えてみましょう。
相手は角を飛び出した瞬間に「予想していた場所に誰もいない」と認識し、そこから慌ててあなたを探して照準を合わせ直す必要があります。
相手の脳に「いない」という認識と「どこだ」と探す処理時間を強制的に作らせることで、ピークアドバンテージのタイムラグを相殺し、飛び出してきた相手を一方的に倒す余裕が生まれます。
まとめ
- 敵の飛び出しに反応できないのは、通信遅延によるピークアドバンテージと、待ち側の脳の処理遅れという物理的な限界が原因です。
- 敵の走り撃ちだけ当たるように見えるのは、移動速度がゼロになるデッドゾーンを突いた射撃と画面表示のズレによるものです。
- 定番の位置から少しズラした「オフアングル」で待つことで、相手の予測を外し、システム上の不利を覆すことができます。
理不尽に感じる撃ち負けも、裏側にある通信の仕組みやデッドゾーンの仕様を理解すれば、納得して次の対策を練ることができます。自分を責めることなく、立ち位置や見方を変える工夫を取り入れて、新しい感覚でFPSを楽しんでみてください。