「今日のVALORANT、どうもエイムがしっくりこないな…感度が合ってないのかも?」
多くのプレイヤーが一度は経験するであろう「感度設定の沼」。
有名プロの設定を試しては変え、数値を少し変えてはデスマッチに潜り…
気づけば、本来すべきである立ち回りの練習がおろそかになっていませんか?
この記事では、そんな感度設定の沼から抜け出し、本当にあなたに合った「神センシ」を見つけるための体系的な方法を紹介します。
なぜ感度は重要?基本の「キ」を理解しよう
やみくもに感度を探し始める前に、まずは最低限知っておくべき基本知識を整理しましょう。
知っておくべきは「eDPI」だけ!
感度の話でよく出てくる「DPI」と「ゲーム内感度」。
しかし、本当に重要なのはこの2つを掛け合わせた「eDPI (Effective DPI)」という指標です。
例えば、「DPI 800, ゲーム内感度 0.4」のプレイヤーと「DPI 1600, ゲーム内感度 0.2」のプレイヤーは、どちらもeDPIが320となり、全く同じ振り向き感覚になります。
プロの感度を参考にする際は、必ずこのeDPIで比較しましょう。
VALORANTの主流は「ローセンシ」
VALORANTは、ミリ単位の精密なヘッドショットが勝敗を分けるゲームです。
そのため、多くのプロプレイヤーは、細かなエイム調整がしやすい「ローセンシ(低感度)」を採用しています。
目安として、eDPIは200~400の範囲に収まっているプレイヤーがほとんどです。
もしあなたが今、これより極端に高い、あるいは低い数値でプレイしているなら、一度この範囲を基準に見直してみる価値は十分にあります。
実践!自分だけの感度を見つける3ステップ
基本を理解したところで、いよいよ自分だけの感度を見つけるための具体的な手順に入りましょう。
Step 1: 「基準の感度」からスタートする
まずは、多くのプレイヤーが使用している平均的なeDPIから始めてみましょう。
- お使いのマウスのDPIを800に設定します。
- VALORANTのゲーム内感度を0.35に設定します。(これでeDPIは280になります)
- この感度で射撃訓練場やデスマッチをプレイし、「速すぎるか」「遅すぎるか」という大まかな感覚を掴みます。
Step 2: PSAメソッドで最適な数値を絞り込む
次に、より最適な数値へ効率的に近づける「PSAメソッド」という手法を使います。
- 基準の感度(例:0.35)に対し、1.5倍した高感度(0.525)と半分にした低感度(0.175)を用意します。
- 射撃訓練場でBotからBotへ素早く視点を動かす「フリックエイム」を試し、高感度と低感度の「どちらがよりしっくりくるか」を比較します。
- しっくりきた方を選び、今度はその数値と元の基準値の中間値を計算。それを新しい基準として、このプロセスを5~7回繰り返します。
これを繰り返すことで、自分にとっての最適な感度の範囲がどんどん狭まっていきます。
Step 3: 実践で微調整し、体に馴染ませる
ある程度感度が絞れたら、最後は実践での微調整です。
- フリックエイムで敵を行き過ぎる (オーバーエイム) → 感度を少し下げる
- フリックエイムで敵に届かない (アンダーエイム) → 感度を少し上げる
そして最も重要なのが、一度「これだ」と決めたら、最低1~2週間は絶対に感度を変えないこと。
日々のコンディションでエイムの調子は変わります。
感度をコロコロ変えていては、筋肉の記憶(マッスルメモリー)が定着せず、いつまでもエイムは安定しません。
エイムはモニターの中だけで完結しない!見落としがちな物理環境
その原因、モニターの外にあるかもしれません。
感度設定は、あなたのプレイ環境全体とセットで考える必要があります。
- 座り方と姿勢: 机に腕を置いたとき、肘が約90度になる椅子の高さが理想です。毎日同じ姿勢でプレイすることが、感覚のズレをなくす第一歩です。
- 机の広さ: ローセンシで腕を大きく振るプレイスタイルの場合、前腕をしっかり机に乗せられる奥行きが必須です。腕が机の角に当たってしまう環境では、ポテンシャルを最大限に発揮できません。
- マウスパッドの大きさ: あなたの感度の下限を決めます。ローセンシでプレイしたいなら、180度振り向いてもマウスがはみ出さない、幅45cm以上の大きなマウスパッドを用意しましょう。
「環境を整える → 感度を探す」。この順番を徹底してください。
プロの設定との正しい付き合い方
その気持ちは非常によく分かります。そして、プロの設定を真似することは「優れた出発点」として非常に有効です。
しかし、それを「完璧な答え」だと思い込んではいけません。
なぜなら、あなたとプロ選手では、手の大きさ、使っているマウス、マウスパッド、そしてエイムのスタイルといった、あらゆる要素が異なるからです。
プロの設定は「完コピ」するものではなく、「自分用にカスタマイズするための参考書」として活用しましょう。
- 憧れのプロのeDPIを出発点として設定してみる。
- プレイしてみて感じる「ちょっと速すぎる」「振り向きがキツい」といった違和感を分析する。
- その違和感を解消するために、自分の感覚を信じて数値を微調整する。
最終的にあなたのパフォーマンスを決めるのは、プロの数値ではなく、あなたの身体に完璧にフィットした、あなただけの感度なのです。
まとめ
感度設定の沼から抜け出すための道のりは、以下の通りです。
- eDPIという共通指標で感度を管理する。
- **プレイ環境(姿勢、机、マウスパッド)**を先に安定させる。
- 基準の感度からスタートし、体系的な方法で絞り込みと微調整を行う。
- プロの設定は**「参考書」として活用し、最後は自分の感覚**を信じる。
- 一度決めたら、最低1~2週間は変えずに体に馴染ませる。
焦らず、じっくりと自分と向き合えば、必ずあなただけの「神センシ」は見つかります。
さあ、感度設定の悩みから解放され、純粋にVALORANTを楽しみましょう!