「Apex LegendsやOverwatchなど、他のFPSゲームはサクサク動くのに、なぜかVALORANTだけがカクつく…」
そんな悩みを抱えていませんか?
グラフィック設定を一番下にしても、PCのスペックは十分なはずなのに改善しない。
この問題、実は多くのプレイヤーが経験しており、原因はVALORANTの特殊な仕組みにあることが多いのです。
この記事では、VALORANT特有のカクつき(スタッタリング)の原因を深掘りし、誰でも試せる具体的な解決策を徹底的に解説していきます。
なぜVALORANTだけ?最大のカギはチート対策ソフト「Vanguard」
問題を解決する上で、まず知っておくべきなのが、VALORANTの強力なチート対策ソフト「Riot Vanguard(ライオット ヴァンガード)」の存在です。
Vanguardは、チートを根絶するためにPCのシステム深くまでアクセスできる「カーネルレベル」という非常に高い権限で動作します。
PCの起動と同時に裏で常駐し、常にシステムを監視することで、悪質なチートプログラムをブロックしています。
この仕組みはチート対策として非常に有効ですが、その強力さゆえに、他のごく普通のソフトウェアと衝突(競合)してしまうことがあるのです。
Vanguardは、システムに深くアクセスするソフトや、画面に情報を表示(オーバーレイ)するソフトの挙動を「不審な動き」と誤認してしまうことがあります。
その結果、パフォーマンスの低下や、深刻なカクつきを引き起こす原因となるのです。
つまり、「犯人」はVALORANT本体ではなく、裏で動いている別のソフトである可能性が非常に高いと言えます。
競合ソフトを探せ!確認すべき項目リスト
それでは、具体的にどのようなソフトがVanguardと競合しやすいのか、そしてどう対策すればよいのかを見ていきましょう。
試しやすい順に紹介します。
STEP 1: ハードウェア監視・制御ソフトを終了する
PCのパフォーマンスを最適化するためのソフトが、皮肉にもVALORANTのパフォーマンスを落としている代表例です。
- 代表的なソフト:
MSI Afterburner
/RivaTuner Statistics Server (RTSS)
NZXT CAM
Corsair iCUE
ASUS Armoury Crate
- その他、PCパーツのRGBライティングやファン制御ソフト
これらのソフトは、フレームレート(fps)やCPU/GPU温度を画面に表示するオーバーレイ機能を持っていたり、ハードウェアを直接制御したりするため、Vanguardと非常に競合しやすいです。
VALORANTを起動する前に、これらのソフトを完全に終了させてください。
タスクバーの右下(通知領域)にアイコンが隠れていることも多いので、右クリックして「終了」を選びましょう。
STEP 2: セキュリティソフト(アンチウイルス)の設定を見直す
セキュリティソフトがVanguardの動きを不審と判断し、動作を妨げているケースです。
お使いのセキュリティソフトの設定画面を開き、以下のフォルダを「スキャンの例外(除外)設定」に追加してください。
- VALORANTのインストールフォルダ
- Riot Vanguardのインストールフォルダ
設定方法がわからない場合は、「(お使いのソフト名) 例外設定」で検索してみてください。
STEP 3: “意外な犯人”をあぶり出す
Vanguardの監視範囲は広く、ゲームとは全く関係ないソフトが原因になることもあります。
- ゲームのMOD管理ツール:
たとえ別のゲーム(Skyrimなど)のMODであっても、MODツールが裏で動いていると干渉することがあります。MODで使われる技術が、チートプログラムの技術と似ているためです。
- 動画編集・配信ソフト
OBS Studio
やAdobe Premiere
なども、画面キャプチャやハードウェアの特殊な利用が原因で競合する可能性があります。
- その他常駐ソフト
インストールしたことさえ忘れているような、PCの起動と同時に裏で動き出すソフトが原因となっていることもあります。
VALORANTをプレイする際は、ゲームに不要なソフトはできるだけ終了させておくのが基本です。
STEP 4: グラフィックドライバとWindowsの設定を最適化する
ソフトウェアの競合以外に、基本的な設定が原因の場合もあります。
- グラフィックドライバのクリーンインストール ドライバの更新で不具合が起きることもあります。Display Driver Uninstaller (DDU)などのツールを使って一度ドライバを完全に削除し、最新版を再インストールすると改善することがあります。
- NVIDIAコントロールパネルの設定
3D設定の管理
>電源管理モード
を 「パフォーマンス最大化を優先」 に変更。低遅延モード
を 「オン」 または 「ウルトラ」 に試す。
- Windowsのグラフィック設定
- Windowsの
設定
>システム
>ディスプレイ
>グラフィック
を開く。 - VALORANTを追加し、オプションから 「高パフォーマンス」 に指定する。
- Windowsの
【最終手段】「クリーンブート」で原因を特定する
「どのソフトが原因か分からない!」という場合は、クリーンブートという方法が非常に有効です。
クリーンブートとは、Windowsの起動時にMicrosoft純正のサービスとドライバーだけを読み込み、後からインストールしたソフトの影響を一切受けない状態でPCを起動する方法です。
【手順の概要】
- 「ファイル名を指定して実行」(
Win + R
キー)でmsconfig
と入力。 サービス
タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、「すべて無効」をクリック。スタートアップ
タブで「タスクマネージャーを開く」をクリックし、すべてのスタートアップ項目を無効にする。- PCを再起動する。
このクリーンブートの状態でVALORANTを起動し、カクつきが解消されていれば、無効化した常駐ソフトの中に原因があることが確定します。
あとは、無効化したサービスやソフトを一つずつ有効に戻しながらVALORANTを起動し、カクつきが再発したところが「犯人」です。
詳しい手順は「Windows 10/11 クリーンブート」などで検索してみてください。
まとめ
VALORANTだけのカクつきは、PCのスペック不足ではなく、強力なアンチチートソフト「Vanguard」と他の常駐ソフトとの競合が原因である可能性が高いです。
まずはPCの裏で動いている不要なソフトを終了させることから始め、この記事で紹介した対策を一つずつ試してみてください。
面倒なトラブルシューティングですが、原因を特定して設定を見直せば、きっと快適なゲーム環境が手に入るはずです。