PIN入力画面までは正常なのに、デスクトップ(ホーム画面)に進んだ途端に操作不能になる現象は、ハードウェアの故障ではなく「システム上の競合」が主な原因です。
この記事では、マウスが使えない状態でのキーボード操作による対処法と、なぜログイン後に不具合が発生するのか、その仕組みを解説します。
キーボード操作でデバイスマネージャーを確認・修正する
この現象は、システムが「マウス以外の入力デバイス(タッチパネルやペンタブレットなど)」から「画面の左上(座標0,0)を押し続けている」という誤った信号を受け取り続けているときによく発生します。マウスが壊れているのではなく、別の信号がマウス操作を上書きしている状態です。
マウスがまともに動かせないため、キーボードのみを使って、原因となっているデバイス(多くはタッチスクリーン)を無効化します。
具体的な手順
- Windowsキー + X を押してメニューを開く。
- 下矢印キー(↓) を数回押して「デバイスマネージャー」を選択し、Enter を押す。
- Tabキー を1回押すと、リストの先頭(デスクトップ名)にフォーカスが移ります。
- 下矢印キー で「ヒューマン インターフェイス デバイス」まで移動し、右矢印キー(→) で展開する。
- さらに下矢印キーで「HID 準拠タッチ スクリーン」(または似た名称)を探す。
- 該当項目で Shift + F10(またはアプリケーションキー)を押して右クリックメニューを出す。
- 矢印キーで「デバイスを無効にする」を選び、Enterで確定する。
これでカーソルの固定が解除されれば、タッチパネルの誤作動が原因です。
セーフモードで起動し常駐アプリの干渉を切り分ける
強制終了後の再起動で直らないのは、「不具合の原因となっているプログラム」も一緒に自動起動(スタートアップ)しているからです。
Windowsには、最低限の機能だけで起動する「セーフモード」という診断モードがあります。これで正常に動くなら、PC本体は壊れておらず、後から入れたアプリやドライバーが悪さをしています。
セーフモードの手順(マウスが使えない場合)
- Windowsキー + I(アイ)で設定を開く(開かない場合は Ctrl + Alt + Delete から電源ボタンへ移動)。
- Tabキー と矢印キーを駆使して「システム」→「回復」へ進む。
- 「PCの起動をカスタマイズする(今すぐ再起動)」を、Enterキーで実行。
- 青い画面になったら、キーボードの数字キーで「セーフモード」を選択。
セーフモードでカーソルが正常に動く場合、直近にインストールしたソフトや、グラフィックドライバーの更新が原因である可能性が高いです。
なぜPIN画面では動き、ホーム画面で固定されるのか(仕組みの解説)
これは、Windowsにおける「読み込まれるデータの範囲(セッション)」の違いによるものです。
- PIN入力画面(Winlogonセッション)
ここはまだ、あなた個人の設定やアプリが読み込まれていない「システム専用の領域」です。ここではWindowsを動かすための最小限の純正ドライバーしか動いていません。余計なソフトが動いていないため、マウスは純粋なハードウェアとして正常に認識されます。 - ホーム画面(ユーザーセッション)
ログインが完了すると、Windowsは以下のようなデータを一気に読み込みます。
- 壁紙や個人設定
- ウイルス対策ソフト
- マウスやキーボードの拡張ユーティリティ
- タッチパネルやペンタブレットの専用ドライバー
今回の「左上に固定される」現象は、この「ログイン後に読み込まれたドライバー」が誤作動を起こし、「常に左上をクリックしている」という強力な信号を出し続けているために起こります。
マウスを動かすと少しだけ動くのは、あなたが「右に動かしたい(マウスの信号)」と送っているのに、システム側が「いや、左上にいるはずだ(タッチパネル等の誤信号)」と、ミリ秒単位で座標の取り合い(喧嘩)をしているからです。
つまり、ログイン後のホーム画面になった途端におかしくなるのは、「不具合の原因となるプログラムが、ログインと同時に起動したから」であり、ハードウェアの故障ではないという証明でもあります。
まとめ
- マウスが使えないときは、キーボード(Tabキー、矢印キー)を使ってデバイスマネージャーを操作する。
- PIN画面とデスクトップでは読み込まれるプログラムが違うため、ログイン後にだけ不具合が出るのは「ソフトやドライバーの競合」が原因。
マウスがいうことを聞かないとパニックになりがちですが、裏を返せば「Windows自体は動いている」ということです。キーボード操作だけで解決できるケースがほとんどですので、焦らず一つずつ設定を確認してみてください。