【VALORANT】振り分け戦って大事?全勝してもランク低いし、振り分け戦後に飛び級するのはなぜ?

 

「VALORANTでランクを上げたい!」

多くのプレイヤーがそう願い、日々コンペティティブモードで熱戦を繰り広げています。

しかし、思うようにランクが上がらず、「勝ち負けが同じくらいなのに、なぜかポイントがマイナスになる…」「スランプに陥ってしまった…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

その原因、実は目に見えている「ランク」や「ランクレーティング(RR)」だけを見ていては理解できません。

あなたのVALORANTにおける全てを裏で支配している、非公開の「内部レート(MMR)」という存在を理解することがランクアップへの一番の近道なのです。

 

この記事では、VALORANTのランクシステムの根幹をなすMMRとは何か、そしてそれが最初のランクを決める「振り分け戦」や日々のランク変動にどう影響しているのかを、徹底的に解説します。

 

振り分け戦は何を見ているのか?

VALORANTを始めてアカウントレベルが20になると、いよいよコンペティティブへの参加権が得られます。

そこでの最初の関門が、5試合の「ランク振り分け戦」です。こ

の5試合の結果によって、あなたの記念すべき初ランクが決定されます。

 

一体、システムはこの5試合で何を見ているのでしょうか?主要な評価基準は以下の通りです。

  1. 試合の勝敗: 最もシンプルかつ重要な要素です。5試合のうち、より多く勝利することで高いランクが付きやすくなります。
  2. 個人のパフォーマンス: VALORANTのランクシステムは、単なる勝敗だけでなく、試合内容を非常に重視します。特にアイアンからアセンダント帯ではその影響が強いと言われています。
    • KDA (キル/デス/アシスト): 戦闘への貢献度を示す基本的な指標です。
    • コンバットスコア: KDAに加え、ファーストブラッドやマルチキルなど、ラウンドにどれだけインパクトを与えたかを示す数値です。
    • ラウンド取得差: 13-11の辛勝よりも、13-2のような圧勝の方が、より高く評価されます。

これらの要素を総合的に判断し、最初のランクが決定されるのです。

しかし、話はここで終わりません。

これらの評価の裏には、常に「MMR」の存在が隠れています。

 

 

全てを司る影の実力値「内部レート(MMR)」とは?

MMRとは「マッチメイキングレート」の略で、システムが内部的に保持している、あなたの「真の実力値」を示す非公開の数値データです。

「ゴールド1」や「プラチナ3」といった目に見えるランクとは別に、より細かく、より正確にあなたの強さを表しています。

このMMRこそが、VALORANTのランクシステムの心臓部であり、以下の2つの極めて重要な役割を担っています。

 

役割1:マッチメイキングの基準

ひかわ
自分はゴールドなのに、いつもプラチナの人たちとマッチングするのはおかしくない?

 

コンペティティブのマッチングは、表示されているランクではなく、このMMRが近いプレイヤー同士で行われます。

あなたがゴールド1のプレイヤーでも、MMRがプラチナレベルに達していると判断されれば、プラチナ帯のプレイヤーが多い試合にマッチングされます。

これにより、ランクが多少離れていても、実力が拮抗した公平な試合が組まれるようになっているのです。

 

役割2:ランクレーティング(RR)の増減量を決定する

ひかわ
MVP取って勝ったのに貰えるポイントが15ptしかなかった…。負けたら-23ptされるし、これじゃあランクが上がらない!

 

これが最も重要なポイントです。

試合後に得られる、あるいは失うRRの量は、あなたのMMRと現在のランクがどれだけ離れているかによって決まります。

  • もし「MMR > 現在のランク」なら…

    システムは「あなたの実力は、今のランク帯よりも上だ」と判断しています。そのため、あなたを早く本来いるべきランクへ引き上げようとします。
    → 結果:勝利時のRR獲得量は多く (例: +28RR)、敗北時のRR減少量は少なく (例: -15RR)なります。

これが、いわゆる「ランクが上がりやすい」ボーナスタイムです。

 

 

  • もし「MMR < 現在のランク」なら…

    システムは「あなたのランクは、実力以上に高く出てしまっている」と判断しています。連敗が続いたり、味方にキャリーされてランクが上がったりした場合にこの状態になりがちです。システムは、ランクを実力相応の位置まで引き下げようとします。
    → 結果:勝利時のRR獲得量は少なく (例: +16RR)、敗北時のRR減少量は多く (例: -25RR)なります。

これが、「ランクの沼」の正体です。勝ち越しているはずなのに、なぜかランクが停滞・下降していくのは、MMRがランクに追いついていないことが原因なのです。

 

  • もし「MMR = 現在のランク」なら…

    システムは、あなたの実力とランクが釣り合っていると判断しています。
    → 結果:勝利時と敗北時のRR増減量がほぼ同じくらいになります。

ここからさらにランクを上げるには、自分より強い敵を倒し、MMRそのものを高めていく必要があります。

 

つまり、目に見えるランクは、常にMMRという影の実力値を追いかけるように変動しているのです。

ランクを上げたければ、RRの増減に一喜一憂するのではなく、根本的な実力値であるMMRを上げることを意識しなければなりません。

 

「振り分け後、すぐに飛び級した!」の謎を解明

ひかわ
振り分け戦が終わってゴールドになりランクを1試合やったら、一気に飛び級してプラチナになった!これって振り分け戦の意味あるの?

 

ここで、鋭いプレイヤーが抱く一つの疑問に答えます。

「振り分け戦が終わってランクが決まったのに、その次の試合に勝ったら一気に2ランク上がった(飛び級した)。これって、振り分け戦の結果はあまり重要じゃないってこと?」

この現象こそ、MMRがランクシステムを支配している何よりの証拠です。

 

VALORANTのシステムは、プレイヤーに達成感を与えるため、振り分け戦で測定したMMRよりも、意図的に少し低いランクを与える傾向があります。

 

例えば、振り分け戦での大活躍により、あなたのMMRが「プラチナ1相当」だとシステムに判断されたとします。

しかし、あなたに与えられる最初のランクは、それより低い「ゴールド2」だったりするのです。

 

この状態であなたが最初のランク戦に臨み、勝利するとどうなるか。

システムは「ゴールド2のプレイヤーが勝った」とは考えません。「プラチナ1レベルのMMRを持つプレイヤーが、格下の試合で順当に勝った」と判断します。

そして、「このプレイヤーをゴールド帯に留めておくのは不適切だ。本来の実力であるプラチナへ、急いで引き上げなければ!」と、ランクとMMRの大きな乖離を一気に埋めようとします。

 

その結果、RRが爆発的に増加し、ゴールド3を飛び越えてプラチナ1へ昇格する「飛び級(ダブルランクアップ)」が起こるのです。

 

このことから、振り分け戦の重要性について、以下のように結論づけることができます。

  • 振り分け戦は「最終試験」ではない: 振り分けで決まったランクが、あなたの実力の全てではありません。それはあくまで「仮の姿」です。
  • 振り分け戦は「最高のスタートダッシュ」のためにある: しかし、振り分け戦はそのシーズンのMMRの基準値を決める極めて重要なものです。ここで高いMMRを獲得できれば、その後のランクアップが非常に楽になる「ブースト状態」でシーズンを始められるのです。

 

Episode/Actリセット後の再振り分け

既にランクを持っているプレイヤーも、定期的なランクリセットの後には再振り分け戦が待っています。

  • Episode開始時のリセット(約半年に一度): 比較的大きなリセットで、全プレイヤーが再度5試合の振り分け戦をプレイします。前EpisodeのMMRが基準になりますが、多くのプレイヤーは以前のランクより数ティア下がった状態からスタートします。最高でも「アセンダント1」からの再スタートとなり、実力者たちが再びランクの頂点を目指します。
  • Act開始時のリセット(約2ヶ月に一度): 小規模なリセットで、振り分け戦は1試合のみです。ランクの変動はほとんどなく、前Actの最終ランクに近い場所から再開できます。

 

まとめ

VALORANTのランクシステムは、一見複雑に見えますが、その中心にあるのは「MMR」という非常にシンプルな実力指標です。

  • ランクはMMRを追いかける後付けの指標である。
  • RRの増減は、MMRとランクの差によって決まる。
  • ランクを上げたければ、MMRを上げるしかない。

では、どうすればMMRは上がるのか?

答えは一つ、「自分より強い相手に、より良いパフォーマンスで勝利すること」です。

 

格上の敵を倒し、ラウンドに大きく貢献し、試合を勝利に導く。

その一貫したパフォーマンスの積み重ねが、あなたのMMRを徐々に引き上げ、やがては目に見えるランクという形であなたに報いてくれるのです。

 

日々のRRの増減に心を揺さぶられることなく、自分のパフォーマンスを向上させ、真の実力値であるMMRを高めていくこと。

それこそが、VALORANTでランクを上げるための、唯一にして最も確実な道と言えるでしょう。