先日幕を閉じた『Vtuber最協決定戦』VALORANTの第2回大会。
大きな盛り上がりを見せた一方で、SNSやコメント欄では「チームバランスが悪かった」「一方的な試合が多かった」という批判的な声も少なくありませんでした。
なぜ今回はこれほどまでに「格差」が指摘されたのでしょうか?
第2回大会はなぜ荒れているのか?
結論から言うと、視聴者が感じた違和感の正体は「1番手と5番手のスコア差」といえます。
要するに、強い人と弱い人の差がありすぎた、ということです。
チームバランスをデータで見る
今大会のスタッツ(個人成績)を集計すると、ある特定のチームにおいて、統計学的に見て「異常」とも言える数値が出ていました。
そのチームの1番手:ACS 約375
そのチームの5番手:ACS 約112
チーム内格差:約263
ACS(平均コンバットスコア)で「263」もの差が開くというのは、同じランク帯のマッチングではまずあり得ない現象です。
他のチームの平均的な格差が「110〜150」程度であることを考えると、このチームの格差がいかに突出していたかが分かります。
このデータを見た視聴者の目には「5番手の選手が何もできずに負けている」ように映りました。
エースが大量キルを重ねて無双する横で、5番手が苦戦する構図。
これが「チームバランス崩壊」という印象を決定づけました。
しかし、本当に5番手の選手が弱かったのでしょうか?
次の項目で、過去のデータと比較してみましょう。
第1回大会はどうだったのか?
第1回はここまで炎上や叩かれることはありませんでした。
データを見るとその理由がはっきりと分かります。
エースの実力が「横並び」だった
第1回大会の各チームの1番手のACSを並べると、以下のようになります。
チームA:ACS 286
チームB:ACS 278
チームC:ACS 273
チームD:ACS 269
驚くべきことに、トップ層は全員ACS 260〜280という狭い範囲に収まっていました。
「誰もが同じくらい強い」状態だったため、エース同士の殴り合いが成立し、試合が壊れにくかったのです。
対して第2回は…
- 1位:ACS 375
- 2位:ACS 315
- 3位:ACS 311
- 4位:ACS 301
- 5位:ACS 292
- 6位:ACS 290
- 7位:ACS 249
- 8位:ACS 215
トップがACS 375、下位の1番手がACS 215と、エース間で1.5倍以上の戦力差がありました。
これが「一強」を生んだ最大の要因です。
5番手が存在しないチーム
エースの比較以上にわかりやすいのが、チーム内の「5番手(最もACSが低い選手)」のデータ比較です。
第2回大会では「5番手が弱いから負けた」という批判がありましたが、それは第1回大会の5番手が強すぎたために生まれた錯覚かもしれません。
第1回大会には、下位枠のはずなのに活躍する選手が複数存在しました。
チームAの5番手:ACS 180.5
チームBの5番手:ACS 180.0
チームCの5番手:ACS 161.2
ACS 180 という数字は、今回の第2回大会の基準で言えば「チームの主力(2番手〜3番手)」に相当する数値です。
第1回大会は、「5番手が弱い」のではなく、「一番下の選手でも、他チームの中堅と撃ち合える」という、極めて層の厚いチーム構成が可能だったのです。
対して今回の第2回大会では、全チームが律儀に「エース+中堅+初心者」という構成を守った結果、5番手の数値は以下のように収束しました。
チームXの5番手:ACS 112.4
チームYの5番手:ACS 111.5
チームZの5番手:ACS 122.0
(全チーム平均):ACS 110〜130前後
第1回にはいた「ACS 180の5番手」は完全に消滅し、全員がACS 110〜120台となりました。
この差は決定的です。
第1回は「エースが倒されても、5番手がカバーキルを取る」ことが可能でしたが、第2回は「エースが倒されると、5番手では火力が足りずに押し切られる」という場面が増加しました。
これが、ワンサイドゲーム(一方的な展開)を生んだ構造的な原因です。
第2回大会はどうすれば良かったのか?
では、ドラフトでのチーム分けが悪かったのでしょうか?
データを精査すると、そうではなく「構造的な限界(人員不足)」だったことが見えてきます。
不参加だった「中間層」
実は、第1回大会には参加していたものの、第2回はスケジュール等の都合で不参加だった選手が約20名ほどいます。
彼らの第1回時点でのデータを分析すると、ある共通点が浮かび上がりました。
不参加選手の多くが「ACS 180〜210」の実力者だった
この「ACS 200前後」という数値は、チームを支える「最強のサブエース(中堅層)」に相当します。
今回批判された「チームバランスが悪い」という問題は、物理的に消滅していたでしょう。
なぜなら、この不参加組がチームに入れば、明確な初心者枠が押し出され、「全員がACS 180以上で戦えるチーム」になったからです。
つまり、チームバランス崩壊の原因は、ドラフトの失敗ではなく「中間層の選手たちが一斉に参加できなかったこと」に尽きます。
人数さえ揃っていれば、第1回と同様、あるいはそれ以上のハイレベルな均衡が保たれていたはずです。
叩かれるような大会だったのか?
「バランスが悪い」と叩く声もありますが、データを見る限り、それはあまりに一方的な見方です。
覚醒したエースへの賞賛
特定の選手がACS 370オーバーを叩き出したのは、運営の想定を超えた「個人の覚醒(努力と才能)」による外れ値です。
これを「バランスブレイカー」と呼んで批判するのは、本来称賛されるべきスーパープレイを否定することになりかねません。
5番手たちの「見えない貢献」
また、「KD(キルデス比)が低い」と批判された下位プレイヤーたちですが、「アシスト数」のランキングを見てください。
総アシスト数 1位:ACS 150台の選手
総アシスト数 2位:ACS 190台の選手
トップのエースたちが気持ちよくキルを取れていた裏には、スキルを駆使してサポートし続けた彼らの存在があります。
数字は如実に語っています。
「5番手は弱かったのではない。役割を全うしていただけだ」と。
第3回大会はどうなる?
今回の分析から、次回に向けた教訓が得られます。
理想は、今回不参加だった「中間層」が全員復帰し、選手層が厚くなることです。
そうなれば、自然と格差は埋まります。
しかし、もしまた人数が集まらないのであれば、運営にできる対策は一つしかありません。
「1番手の実力にキャップ(上限)を設けること」です。
デュエリスト使用を禁止したり、武器に制限をかけたりするなどです。
第1回のようにエースの実力を均一化すれば、たとえ中堅層が不足していても、試合は接戦になります。
「神 vs 人間」ではなく、「人間同士の戦い」に戻すこと。
これが次回、バランスへの批判を生まないための現実的な解となるでしょう。
まとめ
第2回大会が荒れたように見えたのは、誰かの怠慢ではありません。
規格外のエースの誕生
それを止める中間層の不在
この2つが偶然重なった結果、統計的な「外れ値」が生まれてしまっただけです。
データを見れば、下位プレイヤーも立派に貢献していました。
表面的なスコア差だけで批判するのではなく、その裏にある構造や、サポートプレイヤーの貢献に目を向ければ、この大会もまた違った熱いドラマとして記憶されるはずです。
チームメンバー
■ チーム01 ずんずんデコイ
小柳ロウ
酒寄颯馬
花芽すみれ
鬼ヶ谷テン
甘音あむ
コーチ:Laz
■ チーム02 Pin Pon Rush
猫汰つな
胡桃のあ
叶
エクス・アルビオ
弦月藤士郎
コーチ:TORANECO
■ チーム03 真・クロ600%
白那しずく
紫宮るな
三枝明那
赤見かるび
日裏クロ
コーチ:Tonbo
■ チーム04 ACSたかしのドライピークを待っててすまないねぇ
ローレン・イロアス
葛葉
英リサ
夜乃くろむ
蝶屋はなび
コーチ:Vorz
■ チーム05 もっとぽこつけ‼炎のぽこスカふぁくとりー
柊ツルギ
八神ツクモ
小森めと
ロボ子さん
光葉エニ
コーチ:MEDUSA
■ チーム06 横揺れヤンキー
紡木こかげ
アステル・レダ
白雪レイド
本間ひまわり
ラプラス・ダークネス
コーチ:crow
■ チーム07 先いけ忍者
叢雲カゲツ
百鬼あやめ
一ノ瀬うるは
小雀とと
心白てと
コーチ:GON
■ チーム08 Project 8
青桐エイト
天帝フォルテ
杏戸ゆげ
絲依とい
碧依さくら
コーチ:makiba
初参加メンバー
小柳ロウ、酒寄颯馬、鬼ヶ谷テン、甘音あむ、弦月藤士郎、白那しずく、三枝明那、日裏クロ、夜乃くろむ、蝶屋はなび、柊ツルギ、八神ツクモ、光葉エニ、紡木こかげ、叢雲カゲツ、小雀とと、心白てと、青桐エイト、杏戸ゆげ、碧依さくら
以上が今回初参加の方々です。
※前回出場したが、今回は不参加だったのは以下の方々です。
風楽奏斗、獅子堂あかり、夢野あかり、奈羅花、藍沢エマ、白波らむね、猫麦とろろ、八雲べに、緋月ゆい、水無瀬、神成きゅぴ、花芽なずな、奏手イヅル、橘ひなの、瀬尾カザリ、渡会雲雀、久我レオ、兎咲ミミ、イブラヒム、小清水透。
前回大会で1番手だった方の不参加が多くなっています。
大会スケジュール
本番開催日:2025年11月9日(日)
スクリム期間:2025年11月5日(水)~11月8日(土)
本番は11月9日の日曜日に開催されます。
その直前の4日間は「スクリム」と呼ばれる練習期間が設けられています。
このスクリム期間中は、各チームが本番に向けて練習試合を重ねる様子が、参加VTuberそれぞれの視点で配信されるのが恒例です。
チームが結成されてから本番までの成長物語や、チーム同士のドラマが生まれるこの期間も、V最協決定戦の大きな見どころの一つですね!
大会形式
続いて、大会のトーナメント形式です。
参加チーム数: 8チーム
トーナメント方式: ダブルエリミネーション方式
試合形式:
Grand Final(決勝戦):BO3 (3マップ中2マップ先取で勝利)
その他すべての試合:BO1 (1マップ先取で勝利)
決勝リセット規定: 不採用
ダブルエリミネーション方式とは?
一度負けても即敗退とはならず、敗者側のトーナメント(ロワーブラケット)に回り、そこからでも勝ち上がれば優勝のチャンスがある形式です。
最後まで目が離せない、逆転劇が生まれやすいトーナメントです!
BO1が巻き起こすドラマに注目!
今回は決勝戦以外がすべて「BO1(1マップ勝負)」で行われます。
BO1は実力差があっても、マップの得意不得意やその場の勢いで勝敗がひっくり返りやすいため、ジャイアントキリングが起きる可能性も大いにあります。
どの試合も一瞬たりとも見逃せません。
また、決勝戦は「リセットなし」のBO3で行われるため、アッパーブラケット(勝者側)を勝ち上がったチームも、ロワーブラケット(敗者側)を勝ち上がったチームも、完全に同じ条件で雌雄を決することになります。
まとめ
ついに発表された「Vtuber最協決定戦 VALORANT」。
BO1中心のダブルエリミネーションという波乱含みの形式で、どんな熱い戦いが繰り広げられるのか、今から楽しみで仕方がありません。
スクリム期間中は、スクリムの成績もここにアップしていく予定です!