『終末ツーリング』の考察ブログ、今回は【秋葉原編】をお届けします。
ラジオ放送をしているのは誰なのか?
ラジオ放送をしている人がいるということは、生存者がいるかもしれない!
ヨーコたちの道順
ビッグサイトでラジオの電波をキャッチした二人は、「横倒しになっている新幹線」には目もくれず秋葉原へ向かいます。
聞こえてくるラジオ放送はFM電波ということもあり、聞ける範囲は狭いです。
秋葉原に近づくにつれて徐々にクリアな音質になってくることから、二人は秋葉原にラジオ放送をしている人がいると確信します。
野生動物だらけの秋葉原
秋葉原には電気屋や、オタク文化を象徴するメイド喫茶などがあります。
二人がコスプレをして遊んでいると、中南米にいるはずのリスザルがイタズラを仕掛けてきます。
さらにカピバラ、カンガルーやイグアナまでが秋葉原の街を闊歩しています。
秋葉原は世界中の生き物が生息しているかのような自然の動物園と化していました。
アイリの考察では「上野動物園から逃げ出した子孫なのでは?」とのこと。
他の動物を食らうトラの出現に息を呑むヨーコ。
アイリがプラズマレーザー攻撃で撃退しようとしますが、ヨーコがそれを制します。
トラはヨーコをジロリと睨みつつ、どこかへ歩いていってしまいました。
秋葉原のラジオ放送
「今日も日没の時間が近づいてきた!リスナーのみんなとはまた、しばしのお別れだ!」
聞こえてくるラジオ放送の声はとても元気そうです。
「UDX内、アキバ放送局から~」
ラジオから聞こえてくる情報を元に、二人は『秋葉原UDX』というビルを見つけることができました。
UDXのビルに入ろうとしますが、正門のドアは開かず、別の入口の前にはトラックが停められ、まるで侵入を阻んでいるかのようです。
しかし、二人はトラックをよじ登りビル内部へ潜入することに成功します。
ビル内の壁には「先に行ってるぞー」「ステーキ食いてー」などの落書きがされています。
エレベーターは故障中で使えません。
階段で15階まで上がると、そのフロアの一室からラジオの音が聞こえてきます…!
ラジオDJの正体
そのフロアに入ると、そこには人がおらず、マイクとパソコンが置かれていました。
フロアの隅にはテントと思わしきものや、カップラーメンの残骸があります。机の上には大量のホコリが…。
どうやら、このパソコンでは自動で電波を飛ばすプログラムが組まれており、AIが喋っていたようです。
「アキバラジオ放送局、2代目DJ、アキバジローさ!」
このAIはセンサーなどの機能は高性能で、フロア内に入ってきたヨーコたちに気づき『ゲストが遊びに来てくれたようだ!』と反応します。
声色もまるで人間のように流暢です。
しかし、ヨーコがAIにいろいろと質問をしますが、会話は不得意なようで話が噛み合いません
どうやら、発音は完璧でも、会話の知能までは完成されていなかったようです。
ラジオの放送時間
急に喋らなくなったのはパソコンの電源が切れたことが原因のようです。
窓際にはソーラーパネルが設置されていて、太陽が出ている時間しかラジオ放送ができない模様。
夕方になり太陽が沈んでしまったので、ラジオ放送が止まってしまったのです。
机には、このAIアキバジローを作った『先代アキバタロー』が殴り書きしたメモが置かれていました。
「プログラム間に合ってよかった」「ただ死なない毎日が”生きている”と言えるのか」
ゴミ箱には『初心者からの自作AI』という本が捨てられています。
ヨーコは先代アキバタローの思いを汲み取り、ラジオ受信機がなくても放送が聞けるようにすることを決意します。
電気街の店から各種パーツを持ってきて、秋葉原の街中にスピーカーを設置。
秋葉原の街にいれば大音量のラジオ放送が聞けるようにしたのでした。
考察ポイント
ここからは、【秋葉原編】の気になるポイントを考察していきます!
いつからラジオは放送されていた?
まず気になるのが、先代アキバタロー氏が、2代目アキバジロー(AI)を作った時期です。
フロア内の様子や、なぐり書きしたメモを見るに、混乱を極めて満足な生活ができなくなっていた時代だと思われます。
AIを作る時に本を参考にしていたことから、ネットもまともに使えない状況です。
となると、【世田谷編】の高級住宅での情報、【東京ビッグサイト編】のモーターバイクショーの開催年やホワイトボードに書かれた情報から考えていくと、2040年頃(以降)と推測できます。
AIがハイテク過ぎる件
2代目アキバジローの喋りは、ヨーコたちが本物の人間と思ってしまうほど流暢でした。
ゴミ箱にあった本から、製作者の先代アキバタローはAIに関しては素人だったと推測されます。
ここで一つの疑問が浮かびます。
現代の高度な会話AIは、通常ネット上のサーバー(クラウド)で処理を行っています。しかし、この終末世界にネット環境はありません。
つまり、このAIは「オフラインのパソコン単体」で動いていることになります。
素人が「初心者本」を見ながら作ったAIが、オフラインのPC1台でこれほど滑らかに動く…。
これは、当時のテクノロジーが現代より遥かに進んでいたことを示唆しています。
2040年頃の日本は、AI技術が極限まで進化していたのではないでしょうか。
「初心者本」の手順通りにインストールするだけで、人間と区別がつかないAIが作れてしまう時代。
そんな技術が一般家庭にまで普及していたと考えると、社会全体はどうだったのでしょう?
もしかすると崩壊前の日本は、政治や経済、インフラの隅々までAIが入り込み、良くも悪くも「AIに社会を牛耳られていた時代」だったのかもしれません。
アキバジローの流暢すぎるお喋りは、そんなかつての「高度AI管理社会」の片鱗を感じさせます。
壊れずに動いているパソコン
秋葉原の街はビルが草木で覆われ、動物たちも闊歩しています。
さらに、机の上にはホコリが分厚く積もっていました。
ラジオに関わる全ての機器が、メンテナンスもなく動き続けているのは、やはり異常と言えるでしょう。
このラジオ放送を開始してから数年どころではなく、何十年も経っているはずです。
たまたま壊れなかった、という可能性ももちろんあるでしょう。
ですが、カメラ、ソーラー発電、パソコン、ラジオ電波を飛ばす機器、全てがメンテナンスもなく動き続けているのは異常と言えると思います。
現実的に考えるならば、アキバタロー氏がいなくなってから、別の誰かが来てメンテナンスをした、とかでしょうか?
しかし、机の上のホコリなどから見るに、たとえ誰かがメンテナンスに来ていたとしても、そのメンテナンスからはこれまた数年~数十年は経っているはずです。
そこから毎日起動するパソコンが壊れずに動き続けているというのは、どちらにしても異常です。
まとめ
というわけで、生き残りに出会えるか!?と思いましたが、ラジオDJの正体はAIでした。
ヨーコたちにとっては、人間が生きていた痕跡を見られたことが嬉しかったのではないでしょうか!
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