『終末ツーリング』の考察ブログ、今回は【海ほたる編】をお届けします。
当時の日本を知るために重要そうな「硬貨」が出てきたり、ヨーコたちが窮地に陥ったりします!
ヨーコたちの道順
前回、二人は海ほたるに辿り着きました。
海ほたるは、東京湾アクアライン上にある人工島に作られたパーキングエリアです。
文明が崩壊した世界で、海の真ん中へ行くのはかなり勇気が必要ですよね…。
まだ嵐は収まらず
海ほたる内に無事避難することができた二人。外は真っ暗で何も見えません。
ヨーコは「流山での異常な静けさは嵐が来る前兆だったのでは?」と話します。
さらに、満月がとんでもなく大きく見えたことも不思議がりますが、それについてはアイリが「目の錯覚だよ」と科学的に説明します。
ヨーコは自分に、未来を「予感」する不思議な能力があるのでは?と思い始めます。
それに対してアイリは「アイリはそういうのないから」と悲しげに言うのでした。
つーりんぐらむの記憶
二人は、お姉ちゃんが当時『海ほたる』を訪れた時の「つーりんぐらむ」を見返すことにします。
「つーりんぐらむ」には海ほたる訪問時の様子が多数投稿されているようで、ヨーコも「お姉ちゃんがよく来てて」と言っています。
2037年5月16日に投稿されたご当地グルメ「いわしバーグ」の写真を見る二人。
今の時代では美味しい食事が食べられないことから、二人のグルメ旅への欲求が高まります。
ここで、パンク修理で負った指先の傷を確認するヨーコ。
ケガをしてから数時間しか経っていないのに、もう傷口は塞がり、すっかり治っています。
夢の中の『海ほたる』
ウトウトし始めたヨーコは、いつものように現実と区別がつかないほどリアルな夢を見ます。
夢の中でヨーコは、海ほたるのお土産物コーナーで「いわしバーグ」を食べ、自動販売機でジュースを買おうとする女子高生の会話を耳にします。
小銭を使い、自販機でジュースを買おうとする女子高生ですが、小銭を入れ損なって落としてしまいます。
落とした”1000円硬貨”は、コロコロと転がっていき自動販売機の下へ…。
目が覚めて、海ほたるの中を散策する二人。
夢の中で見た食べ物コーナーや、お土産物屋さんが実際にあることにヨーコは驚きます。
自販機コーナーに来たところで、ヨーコは自動販売機の下に手を入れて「落とした1000円硬貨」を探します。
すると、令和13年発行の1000円硬貨が本当にあったのです!
これに対してアイリは冷静に「(夢で見た硬貨と)年号は合ってるの?」と尋ねます。
他にも何枚か硬貨が落ちていたことから、実際に拾った1000円硬貨が夢で落とした1000円硬貨と同じものとは断定できませんでした。
ネズミの大群
自販機コーナーに夢中になっていると、その自販機の下から1匹のネズミが飛び出してきます。
飛び出してきたネズミに驚いて振り返ると、その先にはおびただしい数のネズミの大群が待ち構えていました。
ネズミに襲われた二人は慌てて逃げ出します。
ヨーコは格闘で、アイリはスリングショットで拾った硬貨を撃ちつつネズミから逃げます。
しかし、あまりにも多すぎるネズミたちに追い詰められてしまいます。
ヨーコが「ビームでやっつけちゃう?」と提案しますが、アイリは「バラバラの小さい相手にはあんまし効果ない」「ヘタしたら建物が崩れる」とビームを使うことは拒否します。
ワタワタしていると、ヨーコが持っていた松明の火がトラックから漏れ出ていた石油に引火。
ネズミが火に怯えている隙を見て再び逃げ出します。
最終的にはトラックが大爆発を起こし、ヨーコたちは吹き飛ばされるように地上へ脱出することができました。
黒煙を上げる『海ほたる』を見ながら、恐怖で手の震えが止まらないことに気づくヨーコ。
海を見ると「ウミホタル」が海中で光り輝き、幻想的な世界がそこには広がっていました。
遠くに見える市街地では、ビル群に大量の雷が落ちています。
ヨーコは「この世界は凄い!」「これだから旅はやめられないっ!」と笑顔を取り戻すのでした。
アイリの不具合
目の前に広がる絶景をスマホで撮影していると、そこにお姉ちゃんからメールが届きます。
「今の世界」ではGPSやネットが繋がっていないので、メールが届いたことに驚くヨーコ。
「なぜ電波があるのか?」アイリに聞こうと振り返るとアイリはまったく動きません。
ヨーコがアイリの肩を軽く叩くと、アイリはそのまま真後ろに倒れてしまいます。
すぐに意識を取り戻したアイリは、自分が気を失っていたことには気づいていない様子で、メールの内容を早く知りたがります。
お姉ちゃんからのメールの内容は…
【重要】アイリの緊急メンテナンスについて
ヨーコ、アイリ、旅は順調ですか?突然のメールに驚いたでしょう。でも、重要なことなのでしっかり読んで対応してください。
先程AI-Re06型…つまりアイリの型番にシステム障害が確認されました。重大なエラーではないけれど、一瞬フリーズする可能性があります。かなり稀で滅多に起きるものではないけれど、アイリは大丈夫?心配よね…。
だけど安心して、問題はすでに私たちが解決しました。作成した修復プログラムを適用すれば問題ありません。つきましては…
研究所へ向かい、メンテナンスを受けてください、頑張ってね!【研究所 所在地】茨城県つくば市
こうして、二人の次の目的地は『つくば』に決まりました。
考察ポイント
海ほたる編で最も気になるところで「1000円硬貨」でしょう。
ご存知の通り、今の日本では500円硬貨までしか発行されていません。
これが意味するのは、「当時の日本」では高額硬貨が流通するほどの経済状況、おそらくは深刻なインフレが起きていた可能性です。
『終末ツーリング』の作中で何気なく登場した「1000円硬貨」。この高額な硬貨は、終末前の日本で深刻なインフレが起きていたことを示唆しているのでしょうか?今回は、この一枚の硬貨から、作品世界の経済状況を考察していきます[…]
この1000円硬貨の謎については、別記事で詳しく書いているのでそちらを御覧ください。
ヨーコはスマホの地図アプリをよく見ていましたが、今の世界ではGPSがないため「今ここにいるのかな?」と地図を読んでいました。
もちろん、ネットもないため、お姉ちゃんの「つーりんぐらむ」はオフライン保存されたものを見ています。
地上ではないはずの電波が、海ほたるの地上にいた時に入る。これは異常と言っていいでしょう。
ここでシェルター内のことを思い出すと、シェルターにいたときはスマホに電波が入っています。
ということは、シェルター(地下)にはネット回線が張り巡らされている可能性があります。
この二つの事実を結びつけると、「海ほたるの地下にシェルター、あるいはそれに準ずる施設が存在し、そこから電波が漏れていた」という仮説が成り立ちます。
この仮説を補強するのが、お姉ちゃんの「つーりんぐらむ」です。
ヨーコが「よく来てて」と言うほど、お姉ちゃんは海ほたるを頻繁に訪れていました。
もしかすると、その目的は観光ではなく、地下施設へのアクセスだったのかもしれません。
まとめ
というわけで、大冒険の【海ほたる編】のあらすじと、簡単な考察をしてみました。
あまりにも濃密過ぎる回でしたね!