VALORANTのプロ大会ではTier1とTier2でリーグが分かれて試合を行っています。
サッカーで言えば「J1とJ2」のような分け方です。
というわけで今回は、そんなVALORANT大会のちょっと複雑なシステムについて紹介します。
Tier1とTier2ってなに?
VALORANTの大会システムを知らない人にとって、日本一を決めているっぽく見える大会は【VCJ】だと思われます。
正式名称は【VALORANT Challengers Japan】です。略してVCJです。
この正式名称を見てわかることはVCJの【C】はChampionのことではなくChallengersであるということです。
要するに、VCJは挑戦者を決める大会なのです。
VCJはTier2(2部リーグ)の大会です。
そして、このVCJで優勝するとTier1(1部リーグ)のチームがいる地域予選&世界大会に挑戦する権利を得られます。
Tier2チームは群雄割拠のVCJを勝ち抜いて、そこでやっとTier1チームがいるアジア大会や世界大会に挑戦することが出来ます。
簡単に言うとそういうことです、Tier1チームは国内予選を免除されるというシード権を持っています。
注目度の高い世界大会に優先して出場できるので、Tier1チームは宣伝的な意味でもかなり有利になっています。
どうやってTier1チームが選ばれた?
このTier1とTier2のチーム分けはVALORANTの運営であるRIOTが独自の判断で行いました。
大会を勝ち抜いた上位チームがTier1に選ばれた!というわけではありません。
日本でTier1に選ばれたのはZETAとDFMの2チーム。
しかし、当時国内で強かったのはZETAとCR(Crazy Raccoon)でした。
それなのにDFMが選ばれたことで国内では賛否両論が巻き起こったのです。
RIOTは「チームの運営力を基準」にしてTier1チームを選んだとのこと。
大会成績だけではなく、資金力や運営の透明性などを重視して選んだようです。
CRはRIOTに問い合わせて抗議したようですが、それでも判定は覆りませんでした。
当時のCRは所属ゲーマーとオーナーが「スマーフなどの不正プレイをしていた」ことが発覚したり、そういう観点からもTier1から外されたと言われています。
まぁ、そこは公表されていないので憶測でしかないですが…。
ちなみに、DFMはTier1に選ばれたものの大会成績が良くなかったこともあり、結果的にはCRから選手をレンタル移籍という形で獲得し活動することになります。
運営はDFMだけど、所属する選手はCRというよくわからないことになったのです。
ただ、それについてRIOTは何も注意をしていないことからも、やはりTier1チームに選ばれるには「チーム運営力」が重要だという証明になりました。
チームの入れ替え戦はあるの?
VALORANTのTier1とTier2チームの入れ替えは基本的にありません。
入れ替え戦というシステムがそもそもないので、Tier1チームが財政破綻して消滅するなどしない限りは入れ替わりません。
実際、海外のTier1チームは選手への給与未払いによりRIOTから「運営力の無さ」を指摘されTier2チームと入れ替わっています。
チームが資金難で消滅する、くらいのことがないと入れ替わらないということです。
Tier2チームのモチベーション
最初に【VCJ】という大会についてちょっと書いたように、Tier2チームはVCJで優勝するとTier1チームの大会に挑戦することが出来ます。
そのTier1チームのいる地域予選(アジアとかヨーロッパとか)で勝つと、2年間Tier1チームとして大会に出ることが出来る権利を得られます。
VCJ(国内大会)を勝ち、さらにASCENSION(地域大会)を勝って、それでやっとTier1の大会に出るシード権を得られるということです。
Tier2チームに所属する選手のモチベーションとしては、その2年間Tier1のシード権を得ることになります。
かなり達成が難しい目標ですね…。
もちろん、Tier1チームに移籍することがモチベーションになっている選手もいると思います。
実際、Tier2で成績上位だったチームからTier1チームへ移籍していくことがとても多いです。
Tier2チームに有名選手が移籍する理由
これはおそらくお金の話になっていると予想されます。
海外のTier1チームでも給与未払い問題があったように、プロゲーミングチームにはそんなポンポンと有名選手を在籍させられるほどのお金はありません。
プロ野球のような莫大な資金力を持っているプロゲーミングチームはないでしょう。
さらに、チームが勝てば勝つほど、選手も好成績を収めたということで契約金が跳ね上がっていきます。
元から資金力に限界がある状況で、追い打ちをかけるように有名選手の契約金は高くなる…。
そうなるとチームとしては有名選手を手放すしかなくなります。
しかし、他のTier1チームも資金力には限界があるので有名選手に支払える契約金は出せません。
では有名選手はどこに流れ着くのか?
辿り着く先は、契約金が高いエース級の選手が少ないTier2チームということになります。
Tier2チームとは言え、VALORANT以外の部門で有名でスポンサーが多数ついているチームは意外と多いです。
そういうTier2チームが移籍先を探していた有名選手を獲得するのです。
日本のTier1とTier2の強さの差は?
Tier1チームとTier2チームがガチで戦う大会というのがそもそもほとんどありません。
VCJで勝ち上がったTier2チームが、ASCENSIONなどの世界大会で国内のTier1チームと戦うときくらいです。
ですが、ASCENSION等の大会でも日本のTier1とTier2チームが当たることはほぼありません。
そのため、両者の実力をちゃんと確かめる機会が無いです。
ですので憶測になりますが…。
国内のTier1とTier2はあまり強さに差がないと言われています。
人によっては、韓国人選手の多さなどから「Tier2の方が強いのでは?」とさえ言われることもあります。