『終末ツーリング』のもう一人の主人公、ヨーコの相棒であるアイリ。
時に無邪気な言動で場を和ませ、時に核心を突く知識でヨーコを助ける彼女ですが、その正体は多くの謎に包まれています。
本記事では、作中で描かれた描写を元に、アイリが何者なのか、その過去と旅の目的に迫ります。
アイリってどんな子?旅の相棒としての基本スペック
ヨーコのセローの後ろが定位置のアイリは、人間と見紛うほど精巧なロボットの少女です。
まずは彼女の基本的な能力と特徴をおさらいしてみましょう。
人間らしい生態
ロボットでありながら、ヨーコと同じように食事や水を摂取し、夜は一緒に眠ります。エネルギー補給の方法は不明ですが、食事と密接に関係しているようです。
豊富な知識「データバンク」
歴史や専門用語など、膨大な知識を蓄積した「データバンク」機能を搭載。しかし本人曰く「データベースを読んでいるだけ」で、応用力ではヨーコに軍配が上がるようです。
便利な探索機能
危険生物や電波を探知するスキャン能力は、終末世界を旅する上で欠かせない機能です。
これらの能力を駆使してヨーコをサポートするアイリは、最高の旅のパートナーと言えるでしょう。
心を持つ機械?旅を通して見せる「人間らしい」成長
アイリは単なる便利な機械ではありません。
ヨーコとの旅を通して、豊かな感情と自我を育んでいく様子が丁寧に描かれています。
芽生えた「旅が好き」という感情
ヨーコがバイクのメンテナンスのために一度シェルターへ帰ろうと提案した際、アイリは明らかに不満そうな態度を見せました。管理されたシェルターでの生活より、自由な旅の日々を心から楽しんでいることが伺えます。
驚異的な学習能力
当初はバイクの運転もできませんでしたが、もてぎサーキットでのVR体験を経て、草津では見事に車を運転してみせました。経験から学ぶ高い学習能力は、彼女の成長を象徴しています。
母性の目覚め?
拾った卵から孵ったヒナに「フォアグラ」と名付け、育てることに夢中になったエピソードは、彼女に「お世話をしたい」という感情が芽生えたことを示しています。ヨーコに「なまはげ化」されるほど叱られてしまう姿も、人間の子どものようで微笑ましいシーンでした。
当初はどこか無機質だったアイリが、様々な出会いと経験を経て、少しずつ「心」を獲得していく過程は、本作の大きな魅力の一つです。
【考察】アイリの正体は「自衛軍の兵器」なのか?
無邪気で可愛らしいアイリですが、その出自には謎が多く、不穏な説が浮かび上がってきます。
作中のいくつかの描写は、彼女が元々「兵器」として開発された可能性を示唆しています。
アイリの最も特徴的な能力が、右腕から放たれる強力なプラズマビームです。
護衛用としてはあまりに強力なこの武装は、彼女が戦闘用に設計されたことを物語っています。
ビームを発射した後は「お腹がすいて動けない」とエネルギーを著しく消耗する描写からも、これが特別な機能であることが分かります。
草津で出会った元・自衛軍の暗殺兵器エイト。
彼はアイリと「同じデータベースを使っている」ことが判明しました。
これは、アイリもまた、エイトと同じく自衛軍によって開発されたことを示す極めて重要な情報です。
これらの根拠から、アイリは「(ヨーコのお姉ちゃんが所属していた?)自衛軍の組織が開発した、戦闘用ロボット(兵器)」である可能性が非常に高いと考えられます。
今後の鍵を握る?残された謎
考察を進めても、まだアイリには解明されていない謎が残されています。
「AI-Re06型」のバグ
海ほたるで一時的にフリーズした原因。この型式番号とバグは、彼女の出自や弱点に関わる重要な伏線かもしれません。
異星人との交信
吉見百穴で遭遇した異星人は、ヨーコではなくアイリとだけコンタクトを取りました。なぜ彼女だけが選ばれたのか、特殊な通信機能が隠されているのでしょうか。
これらの謎が、今後の物語でどのように明かされていくのか、目が離せません。
まとめ
無邪気な言動の裏に「兵器」としての過去を秘めたロボット少女、アイリ。
彼女は、ヨーコとの旅という「日常」を通して、本来の目的とは違う「心」を育んでいるのかもしれません。
なぜ彼女はヨーコと共に旅をすることになったのか。
その愛らしい笑顔の裏に隠された真実とは。これからも、二人の旅路を見守りながら、アイリの謎に迫っていきたいと思います。
