『終末ツーリング』のもう一人の主人公、ヨーコの相棒であるアイリ。
ヨーコを助ける彼女ですが、その正体は多くの謎に包まれています。
本記事では、作中で描かれた描写を元に、アイリが何者なのかを考察していきます。
アイリってどんな子?
ヨーコのセローの後ろが定位置のアイリは、人間と見紛うほど精巧なAIロボット(AI-Re06型)です。
ヨーコを守ることを第一にして行動します。地下シェルターではヨーコと一緒に生活していました。
旅を始めた序盤は感情はあまり出しませんでしたが、旅を続けていくうちに感情が表れるようになってきました。
ロボットですが充電しているシーンはなく、食事からエネルギーを生み出しているようです。
右腕からはプラズマレーザーを発射することができますが、1発撃つごとにお腹が空いて動けなくなってしまいます。
ロボットということもあり体重は重く、浮力がないため浮き輪なしでは泳ぐことが出来ません。
「データベース」を搭載していて、ネット検索すればわかる程度の情報や知識を持っています。
ですが、持っている情報が古かったり、ヨーコに比べると「自分で考える」ことが苦手だったりします。
また、ラジオの電波を受信したり、有毒ガスの有無を調べたり、他の人の心拍数などを調べることができる機能も備わっています。
作中では体調不良になったりするシーンはありません。ヨーコと同様に、ケガをしても「自然と治る」とのこと。
このことを同じAIロボットであるエイトに話したところ、かなり驚かれていたことから、アイリはかなり技術の進歩したAIロボットと思われます。
東北に入ってきてからは良くも悪くも感情が豊かになり、育てている鳥(フォアグラ)のお世話に夢中になりすぎて洗濯などをしなくなってしまいます。
大人っぽさが増してくるヨーコに対して、アイリは逆に子供っぽさが出てくるようになりました。
なお、秋田で「なまはげ化」したヨーコに一喝されて以降は、怠惰な生活態度は改まり、洗濯などもちゃんとするようになった模様です。
アイリはなぜヨーコと一緒にいるのか?
『終末ツーリング』に登場するAIロボットたちは、どれも決められたプログラムを軸にして動いているようです。
AIの技術力はかなり高く、ある程度は臨機応変に動けますが「結局は決められたプログラムには逆らうことは出来ない」と思われます。
草津にいたエイトの殺人プログラムが発動してしまったように…。
そのため、アイリも同様になんらかの「決められたプログラム」を元にヨーコと行動を共にしているはずです。
そしてそのプログラムはおそらく「ヨーコを守るため」でしょう。
仲が良かったエイトに対して容赦なくプラズマレーザーを撃ち込んでいますし、火山ガスでヨーコが倒れた時は酷く落ち込んでいました。
アイリは、お姉ちゃん(もしくは所属組織)によって、地上に出たヨーコを護衛する目的で作られた存在だと思われます。
アイリの正体は「自衛軍の兵器」なのか?
作中のいくつかの描写は、アイリが元々「兵器」として開発された可能性を示唆しています。
アイリの最も特徴的な能力が、右腕から放たれる強力なプラズマレーザーです。
護衛用としてはあまりに強力なこの武装は、アイリが戦闘用に設計されたことを物語っています。
草津で出会った自衛軍の暗殺兵器エイト。
エイトはアイリと「同じデータベースを使っている」ことが判明しました。
これは、アイリもまた、エイトと同じく自衛軍によって開発された可能性を示しています。
ですが、それで同じ製造元が作ったロボット同士だと断定するのは早計かもしれません。
アイリが過去に披露したデータベースは情報が古く、「誰でも使えるネットの情報」を読み上げているだけのようにも見えます。
Google検索で出てくる情報を「データベース」と言っているだけであれば、製造元が違うロボットでも、同じ情報サイトのデータを参照している可能性は大いにあります。
