2021年6月12日に行われたAPEXのカジュアル大会『NIJISANJI APEX Party with DETONATOR』。
大注目を浴びた一方で、大会に関する炎上もネットでは話題になりました。
というわけで今回は、通称『にじPEX』の炎上理由について振り返ってみたいと思います。
Vtuberグループ「にじさんじ」の所属ライバーによる『APEXにじさんじカスタム』の開催が発表されました!開催日は6月4日。21時からの試合開始予定です。 この記事では大会の開催概要や[…]
『にじさんじAPEX大会』の炎上
『にじPEX』は実際にネットで炎上していました。
Vtuberをメインにしたまとめサイトでも炎上案件として記事化されていましたし、中立な立場を取って『にじPEX』の記事を掲載していたまとめサイトのコメント欄も賛否両論の意見で荒れていました。
そして、私もブログで『にじPEX』について書いていましたが、その記事へ来る検索ワードは「にじPEX 炎上」が多かったです。
それだけ、にじさんじリスナーの人も「なんか炎上してるっぽいけど大丈夫か~?」と思っていたのでしょう。
というわけで、なぜ『にじPEX』は炎上してしまったのか?
開催から半年ほどが経った今、冷静な感情で書いていきたいと思います。
APEX配信に対する嫌悪感
まず、『にじPEX』が開催される前段階からAPEXというゲームが一部のリスナーから嫌われていたというのがあります。
にじさんじ所属のVtuberの多くがAPEXを毎日長時間配信していたので、リスナーとしては同じゲームばっかりで飽きていたというのが理由の一つです。
FPSゲームが好きではない人にとっては、同じゲームばっかりっていうのはさすがに飽きますよね。
『にじPEX』の開催段階で、APEXがVtuberの世界で流行ってから1年以上が経過していました。
さらに、他の事務所のVtuberやストリーマー、競技プロとのAPEXコラボが嫌いという人も多かったです。
APEXを通じて知り合った配信者同士でコラボをすることが増えたのですが、それによりVtuberとリスナーの 1対1 の関係が崩れてしまった感がありました。
いわゆるガチ恋勢、Vtuberのソロ配信を楽しみたい人にとってはAPEXコラボというのは面白くないわけです。
同じゲーム実況とはいえ、ストリーマー&プロとVtuberは配信の雰囲気が違います。
プレイを見せるストリーマーとプロ、対して配信の雰囲気を意識するVtuber、その両者がコラボしたときにリスナーとしては「なんかいつもと違って変」と思ってしまう人も多かったようです。
逆にストリーマー側のリスナーも「Vtuberってなに?」とか「絵が~」という批判の声を上げていました。
両者のリスナーでバチバチ感があったのです。
それによりVtuberのコメント欄が荒れることも多く、「もうAPEXはやらないで欲しい」と思うVtuber側のリスナーもいました。
こうして、APEXが流行ってから1年の間でAPEXというゲーム自体に対して嫌悪感を持っている人が増えてしまっていたのです。
「箱内大会」という期待度
「APEXはもう飽きた」「ストリーマーとかとコラボするのはもういらない」という意見がどんどん増えていく中、『にじPEX』の開催が発表されました。
最初は「ついに、にじさんじでAPEXの大会が開催される!」とポジティブな意見が多かったと思います。
コラボ嫌いの人にとっても、にじさんじのVtuber同士でチームを組む姿を見たいと思っていたからです。
しかし、蓋を開けてみると『NIJISANJI APEX Party with DETONATOR』という大会名からわかるように、プロゲーミングチームのDeToNatorとの共催だったのです。
そして、大会のメンバー構成について発表されると完全に炎上しました。
理由としては3つのポイントがあります。
- DeToNator所属のストリーマーも選手として参加する
- にじさんじ所属Vtuberがあまり参加しない
- 外部のVtuberやストリーマーが参加する
「にじさんじ “だけ” 」の大会を期待していたファンにとってのガッカリ感、そうじゃない感は強かったでしょう。
しかも、Vtuberだけではなくストリーマーも参加するということで「にじさんじが主催の意味ってなに?」という意見も多く上がりました。
この大会概要が発表されて以降は、APEXを好意的に思っていたリスナーですらも大会への苦言の声を上げていました。
とにかく、みんながイメージしていた『にじPEX』ではなかったのです。
元からAPEXを嫌いだった人、コラボが嫌いだった人、さらには「にじさんじだけの大会」を楽しみにしていた人までも大会を批判し大炎上です!
にじさんじ単独主催にならなかった理由
結局のところ、『にじPEX』が炎上したのは「にじさんじだけの大会」ではなかったことです。
どんなにAPEXが嫌いな人が多くても、「にじさんじだけの大会」だったらこんなに炎上していなかったでしょう。
なぜにじさんじ単独でのAPEX大会が開催できなかったのか?
それは、APEXのカスタム権の取得に理由があります。
APEXの大会は「カスタムマッチ」という、パスワードを知っている人しか入れない特殊なマッチを使うことになります。
しかし、このカスタムマッチのパスワード(権利)を取得するためには、APEX運営に許可をもらったり、すでに権利を持っているプロゲーミングチームに貸してもらうしかなかったのです。
もちろんにじさんじはカスタム権を持ってはいません。
どうにか単独開催できるようにカスタム権の交渉を行ったはずです。
ですが、そう上手くはいきませんでした。
最終的には、プロゲーミングチームのDeToNatorからカスタム権を貸してもらう形での開催となります。
DeToNator側としてもタダでカスタム権を貸すわけにもいきませんので、両者の落とし所として「ストリーマーも参加する」ということになったのでしょう。
結果としては、この落とし所を間違ってしまったわけですね。
にじさんじ所属Vtuberの参加が少なかった理由
実際のところ、DeToNator所属ストリーマーの参加人数は多くありませんでした。
他のメンバーを全部にじさんじ所属Vtuberで埋めていくことができたはずです。
しかし、にじさんじ所属Vtuberの参加は30人ほどだけでした。
これについて、参加しなかったVtuberが雑談の中で話しているのを聞くと「強いストリーマーがいる中で、弱い自分が参加しても・・・」と思っていた人が多かったようです。
プロゲーミングチームのストリーマーが参加することで、大会への参加ハードルが上がってしまっていたのです。
本来であれば初心者でも参加できるようなエンジョイ大会になるはずが、いつの間にかガチ感の雰囲気があったようです。
その雰囲気により初心者は参加しづらくなり、結果的にはいつも大会に参加しているAPEX常連のにじさんじ所属Vtuberしか参加できなくなっていました。
まとめサイトの存在
Vtuberと切っても切り離せないのは「まとめサイト」でしょう。
『にじPEX』もまとめサイトで多数記事化され、なにかが発表されるたび、ちょっとしたことでも炎上として扱われてしまいました。
アンチではない普通のVtuberファンも「『にじPEX』はちょっと違うなぁ・・・」と思っていたので、まとめサイトの記事もどんどんエスカレート。
こうなってしまうと炎上は止まりませんでした。
にじさんじ所属Vtuberへの批判はもちろん、DeToNator所属ストリーマーも記事化されて炎上です。
大会全体で炎上させられてしまいました。
まとめ
こうやって改めて『にじPEX』を振り返ってみると、やはり「にじさんじだけ」を期待していたファンのガッカリ感がすべての原因だったと思います。
この炎上により「第2回」の開催は難しいと思います。残念ながら。